オダマキ


オダマキの花が咲いていた。
大きく開いた花弁に見えるのはガクで、
真ん中の筒状の部分が本当の花弁。
この花弁を糸巻(おだまき)に見立て、
名づけられた花なのだという。


苧環 – Wikipedia



いにしへの
しづのをだまき
繰りかへし
昔を今に
なすよしもがな

( 伊勢物語 32 )


静御前が歌った「しづやしづ しずのおだまきくりかえし むかしをいまに なすよしもがな」という歌の解釈… | レファレンス協同データベース


糸巻といえば、中国の西王母の髪飾りは、
「勝」と書き表される糸巻だという。

jjsd87_094.pdf
「日中美術における西王母と勝の変遷について」
( 毛, 嘉琪 2025.8 )

倭文(シズ)とは? 意味や使い方 – コトバンク

シズとは、麻糸等で織った古代からの布。

「いにしえの しずのをだまき」
という伊勢物語の表現において、
中国古典「山海経」などに描かれた
西王母の影響はあるだろうか?
糸巻の髪飾り(勝)のシンボルが、
平安貴族の文学にさりげなく
採り入れられた可能性は?
「いにしえの しずのをだまき 繰りかへし」
不老不死の仙薬や桃の実なども司る
西王母という神秘的な女神の面影を、
無限に回転し続ける糸巻と重ねてこそ、
有限のときを生きる者のかなわぬ願い
「昔を今に なすよしもがな」
の詩句にも一層の切実さが宿り、
より深い余韻を残すように思われる。



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