「はたおりうた」に関心を持ち、
図書館で検索して見つけた絵本。
落ち着いた柔らかな色調が美しい。
静かに語りかけるような文体の、
アジアの昔話風の創作絵本。
(原話についての紹介がないので、
著者オリジナルの物語だろうか)
織り姫と彦星とを思わせるふたり、
おだやかな幸せを奪う隣国との戦、
心を込めた機織りを邪魔する大臣。
悲しみをこえ天上で結ばれる恋人、
残された美しい麻織物の技と歌声。
ほそーく ほそーく
あさ糸 つむいで
月のひかりを おりこんで
星のひかりを おりこんで
ながーく ながーく
二 四の 糸には 月のひかりを
三 五の 糸には 星のひかりを
ながれる星は 六から一に
月の光のような優しい余韻が残る歌。
いくどか読み直しても余韻は消えない。
作者はすでに他界されているけれど、
「ねずみおことわり」
「はるかぜとぷぅ」
「われたたまご」
など、幼かった頃に読み、
とても好きだった幾冊もの
絵本を思い出した。
他に多数の作品が遺されていると知り、
寂しいけれど、清々しいような
ほっこりと温かい気持ちになった。
まーふぁの布も、きっとそんな肌ざわり
なのだろう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E_(%E6%A4%8D%E7%89%A9)
(Wikipedia より「亜麻」の項)
あさ糸と表現されている糸は、亜麻糸のことだろうと気づいた。
(月の光のようにしなやかな高級繊維=リネン)
(日本で古代から広く利用された麻糸とは異なる)