ポランの広場

ポランの広場
宮澤賢治 作詞・編曲
(原曲 George Evans)


つめくさの花の 咲く晩に
ポランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒を呑まずに  水を呑む
そんなやつらが でかけて来ると
ポランの広場も 朝になる
ポランの広場も 白ぱっくれる。

つめくさの花の かほる夜は
ポランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒くせのわるい 山猫が
黄いろのシャツで出かけてくると
ポランの広場に 雨がふる
ポランの広場に 雨が落ちる。



(使用音源)
MIDI : 音楽研究所 様よりお借りしました。
    http://www.mu-tech.org/Traditional/In…
効果音 : 効果音ラボ 様よりお借りしました。
    https://soundeffect-lab.info/

VOCALOID : Ken
illust & music 編集:fairy-scope

2022 ©fairy-scope.com


狼森の火

すきとほつたばら色の火がどん/\燃えてゐて、狼(オイノ)が九疋(くひき)、くる/\/\、火のまはりを踊つてかけ歩いてゐるのでした。
 だん/\近くへ行つてみると居なくなつた子供らは四人共、その火に向いて焼いた栗や初茸(はつたけ)などをたべてゐました。
狼はみんな歌を歌つて、夏のまはり燈籠のやうに、火のまはりを走つてゐました。
「狼森のまんなかで、
火はどろ/\ぱち/\
火はどろ/\ぱち/\、
栗はころ/\ぱち/\、
栗はころ/\ぱち/\。」

宮沢賢治 狼森と笊森、盗森 (aozora.gr.jp) より


子ども達の神隠しの情景が、
影絵のように浮かんでくる。
平易な短い言葉だけで、
魔法のように描いた
郷土の香り豊かな世界。

言葉だけで十二分に美しい一方、
この童話の絵本やアニメーションを
観てみたい……
(そしてカッとなって、描いた)


( 2022.1.7 Twitter より )


狐こんこん白狐

堅雪かんこ、凍み雪しんこ。

宮沢賢治の童話「雪渡り」で、
狐の幻燈会に招待された
四郎とかん子は、
手土産に鏡餅を持って出かける。
田畑や野原に積もった雪が凍り、
十五夜の月がのぼる晩。

鏡開きした餅がある
小正月頃の物語だろうか。

「狐こんこん白狐、お嫁ほしけりゃ、とってやろよ。」
「四郎はしんこ、かん子はかんこ、おらはお嫁はいらないよ。」
「狐こんこん、狐の子、お嫁がいらなきゃ餅やろか。」
「四郎はしんこ、かん子はかんこ、黍の団子をおれやろか。」

宮沢賢治 雪渡り (aozora.gr.jp)


( 2022.1.3~4 Twitter より )