ポランの広場

ポランの広場
宮澤賢治 作詞・編曲
(原曲 George Evans)


つめくさの花の 咲く晩に
ポランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒を呑まずに  水を呑む
そんなやつらが でかけて来ると
ポランの広場も 朝になる
ポランの広場も 白ぱっくれる。

つめくさの花の かほる夜は
ポランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒くせのわるい 山猫が
黄いろのシャツで出かけてくると
ポランの広場に 雨がふる
ポランの広場に 雨が落ちる。



(使用音源)
MIDI : 音楽研究所 様よりお借りしました。
    http://www.mu-tech.org/Traditional/In…
効果音 : 効果音ラボ 様よりお借りしました。
    https://soundeffect-lab.info/

VOCALOID : Ken
illust & music 編集:fairy-scope

2022 ©fairy-scope.com


緑のお池

a homage to Arthur Rackham “UNDINE 1909”


緑のお池が ありまして
緑のお目々の男の子
銀の髪さらさら その上に
お皿が一枚 のってます。

緑のお池が ありまして
赤いおくつの女の子
お魚のぞいた そのはずみ
緑の水に おちました。

緑のお目々の男の子
すいすい泳いで 池のそこ
おぼれた女の子を ひっぱって
緑の草へと はこびます。

緑のお池が ありまして
岸辺でめざめた女の子
銀の髪さらさら 見たような?
赤いおくつが ありません。

きっと おくつは池のそこ
今ごろお魚の家の屋根
それとも だれかの宝物・・・



( 2010.8.1 旧ブログより )

こちら、ドワーフ・プラネット (the-wings-at-dark-dawn.com)

緑のお池(Bing Image Creator) – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)


狼森の火

すきとほつたばら色の火がどん/\燃えてゐて、狼(オイノ)が九疋(くひき)、くる/\/\、火のまはりを踊つてかけ歩いてゐるのでした。
 だん/\近くへ行つてみると居なくなつた子供らは四人共、その火に向いて焼いた栗や初茸(はつたけ)などをたべてゐました。
狼はみんな歌を歌つて、夏のまはり燈籠のやうに、火のまはりを走つてゐました。
「狼森のまんなかで、
火はどろ/\ぱち/\
火はどろ/\ぱち/\、
栗はころ/\ぱち/\、
栗はころ/\ぱち/\。」

宮沢賢治 狼森と笊森、盗森 (aozora.gr.jp) より


子ども達の神隠しの情景が、
影絵のように浮かんでくる。
平易な短い言葉だけで、
魔法のように描いた
郷土の香り豊かな世界。

言葉だけで十二分に美しい一方、
この童話の絵本やアニメーションを
観てみたい……
(そしてカッとなって、描いた)


( 2022.1.7 Twitter より )