ガラスの夜汽車


耐熱ガラスの汽車が
蒸気の煙をくゆらせ
見えない軌道を走る

凍てた星系のふちを
白煙がしずかに包む
一条の灯が星を縫う

ガラスの炉に虹の熱
天の河またいで走る
透明無限な無軌道で

星の鈴を順に鳴らし
凍てず割れずひびく
遠いほうき星の汽笛

ポケットに
切符が一枚
これ誰の?


(2020.6.6 Twitter より)

雨ふり、水時計をくりかえし逆さまにする

 

すべてクリアを待ちつつ
霧が晴れて淡い光ごと
消えてしまいそうな
曖昧なシルエット
の光源が保たれ
ていればいい
そんな惑い
抱く夢の
はざま
遊ぶ

外は
雨ふり
水時計を
くりかえし
逆さまにする
不思議は不思議
のままにそうっと
しておきたいと願う
理不尽・不可解な世界
あるがままに無心に遊ぶ

不可解・理不尽な場所
だとしても私は世界と
和解して遊びつづける
空の色が懐かしいので

 

(2020.4.21 Twitter より)