惑星

惑ってはいない、
さまよってもいない、
軌道をめぐっているだけ、
私はかがやく恒星のとりこ。

波をわたり季節をめぐり、
私のかげは、
地上のいのちとおどる、
とらわれる器ひとつ無いまま。

かりそめの光、
かりそめのそよぎ、
たわむれるひととき。
私はすべてにやどる、
いく道すがら……


( 2021.8.29 Twitter より )


わきて流るる

みかの原
わきて流るる
泉川(いづみがは)
いつ見きとてか
恋(こひ)しかるらむ

(小倉百人一首) 
中納言兼輔(27番) 
『新古今集』恋・996


( 2021.8.19 Twitter より )



吾亦紅(ワレモコウ)

a homage to Arthur Rackham “UNDINE 1909”


真珠の百合の冠よりも
海の底の赤い花がすき
ゆれるお日さまみたいな
赤い花の輪かざりがすき

歌えないけれど
二度と歌えないけれど

あなたのそばで
あなたの声をきく
二本の足で
あなたと歩く

それだけ望んだの
望んだのは私なの

そして私は風になった
お日さまにてらされ
赤い花をゆらす
そよ風になったの



人魚姫(Bing Image Creator) – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)


胡蝶の夢

昔者莊周夢爲胡蝶。
栩栩然胡蝶也。
自喩適志與。
不知周也。
俄然覺、則蘧蘧然周也。
不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與。
周與胡蝶、則必有分矣。
此之謂物化。

(『荘子』斉物論第二 )

胡蝶の夢 – Wikipedia


花の種を頂いた。
花が咲く頃、コロナ禍が落ち着き、
笑顔の日常が取り戻せますように。
(まだ蒔いてない、けど)


( 2021.7.16~7.17 Twitter より )


うずめ

たそがれぐもに
うずめたゆめは
どんなかおり?

ふるさとのうた
おひさまのいろ
まいおどるかぜ

ほしがきえたら
ひかりのとびら
もいちどあけて

そめなおしてね
こがねのはなを
きっとさかせて

あしたもきっと


( 2021.6.26 Twitter より )