涼州詞

葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
酔臥沙場君莫笑
古来征戦幾人回

葡萄の美酒 
夜光(やこう)の杯
飲まんと欲すれば
琵琶 馬上に催(うなが)す
酔うて沙場(さじょう)に臥す
君笑うこと莫(な)かれ
古来征戦(せいせん)
幾人か回(かえ)る

(涼州詞 王翰 中国唐代)

王翰 – Wikipedia

( 2021.9.8 Twitter より )


Ophelia


芝蘭(しらん)の花でこしらへた
花かづらをば手に持って、
狂ひあこがれつゝ來やったげなが、
それを掛けうとて柳の枝に、
よづれば枝の無情(つれな)うも、
折れて其身は花もろともに、
ひろがる裳裾にさゝへられ、
しばしはたゞよふ水の面。
いまはの苦痛をも知らぬげに、
人魚とやらか、水鳥か、
歌ふ小唄の幾くさり、……

( シェークスピヤ「ハムレット」
 第四幕 第七場 坪内逍遥 訳より )

ハムレット (salterrae.net)


( 2021.9.6 Twitter より )


みなもと太郎さん


漫画家みなもと太郎さんの訃報。
「ハムレット」
「モンテクリスト伯」
「シラノ・ド・ベルジュラック」
幾つかの作品を思い出す。

「レ・ミゼラブル」
可愛い表紙と強烈なギャクの
ギャップにまず驚いたけど、
コゼットは愛らしく、
ジャン・バルジャンが
ほっこりしてたっけ。

「ハムレット」のオフェーリアが
「わたちおそらをとべるのよー」
(だったかな……)のセリフとともに
落ちていくシルエット。

哀切でありながら
突き抜けたギャグは、
忘れがたい……

心に残る作品たちを
ありがとうございました。
どうか安らかに……


( 2021.8.20/9.6 Twitter より)


惑星

惑ってはいない、
さまよってもいない、
軌道をめぐっているだけ、
私はかがやく恒星のとりこ。

波をわたり季節をめぐり、
私のかげは、
地上のいのちとおどる、
とらわれる器ひとつ無いまま。

かりそめの光、
かりそめのそよぎ、
たわむれるひととき。
私はすべてにやどる、
いく道すがら……


( 2021.8.29 Twitter より )


わきて流るる

みかの原
わきて流るる
泉川(いづみがは)
いつ見きとてか
恋(こひ)しかるらむ

(小倉百人一首) 
中納言兼輔(27番) 
『新古今集』恋・996


( 2021.8.19 Twitter より )