彼岸の乙女

オルフェウスは竪琴の弾き語りで
忘れ川の渡し守の心をとらえ、
黄泉の国へ渡った。
妻のユリディケは甦らなかったが
オルフェウスは生還した。
ヘラクレスは腕力、テセウスは知略で
忘れ川の渡し守カロンを打ち負かし、
生きながらに冥府へ侵入したが、
オルフェウスは歌によって
異界を旅した。

オルフェウスの竪琴は
天空に置かれ、
黄道十二宮の真ん中で今も、
美しい調べを奏でている。
獣帯の星座達は、
竪琴の音色に耳を傾けるために、
ぐるりと輪になった姿だという。

天空の運行を導く
竪琴の音色。

琴座のベガは、
七夕伝説の織り姫星。
年に一度だけ、
天の川の対岸の
彦星に会える。

はるかな昔には、
琴座のベガが
不動の北極星の位置で
輝いていたのだという。
地球の自転軸が少しずつずれて、
現在の北極星になったらしい。

琴座のベガ=北極星時代には、
「織り姫=天の最高位の女神」
だったのではなかろうか。

オルフェウスとユリディケ、
イザナギとイザナミ、
エンリルとニンリル……
彼岸と此岸に隔てられた
世界神話の悲恋カップルが、
旅の果てに別れたり、
絆を結んで甦ったりする。

そういえば、神話の原型には
「乙女の冥界くだり」
「勇者の竜退治」
「勇者による乙女の救出」
といった物語群があるそうだ。

彼岸の乙女。
天の川=彼岸と此岸を隔てる
旅の難問=竜なのかもしれない。


( 2021.12.16 Twitter より )


草薙剣とオリオン座


こちら、ドワーフ・プラネット (the-wings-at-dark-dawn.com)
ブログより「熱田神宮(こころの小径)」

熱田神宮は尾張三宮。
三宮(さんのみや)=参宮?
参宿=オリオン座

熱田神宮の本殿奥にある
「こころの小径」北西に
一之御前(イチノミサキ)神社、
(北西=北極星?)
湧き水を経て
「清水社」「御田神社」「龍神社」
が並ぶ。

そして、明治初期まで
草薙剣を奉安していたという
「土用殿」が
三社の中ほど、
「御田神社」に向き合って建つ。

オリオン座の三ッ星と、
小三ッ星を想起する配置……

熱田神宮は古来、
星神信仰の地だったのでは
なかろうかと、夢想。
草薙剣は、
オリオンの短剣と通底する
モチーフだったのでは?

( 2021.12.15 Twitter より )

(三ッ星と宇宙樹に関する覚え書き)
(2014.1.8 Facebook より)


星の民

星の河の岸辺で
かがり火を焚き
夜が明けるまで
舞姫はおどる
三つ星の姫は
おどる

瓜二つの星姫が
対岸の門を開き
夜が明けるまで
ねむる暁姫が
目覚めるまで
おどる

こごえる夜空の
オリオンの星座
ふたごの星座と
年越しの焚火
うたい舞って
いのる

いのり生きた
生きのびた
はるか昔の
民の物語

( 2021.12.14 Twitter より )


こちらの岸で

星の河をわたると
星の門があって
星の宮には
もうひとりのあなた
もうひとりのわたし

星の河をわたれば
ずっとあえるけれど
こちらの岸で
わたしはおどる
おどりつづける

闇がてらされますよう
春がおとずれますよう
おなじ卵から
うまれた
あなたとわたし

星の河をわたり
春をつげる
白いつばさよ


(オリオン座と双子座と
アメノウズメとetc.)

( 2021.12.11 Twitter より )


白鳥座と異界 – あかり窓 (memoru-merumo.com)

鏡の岸の姫 – こちら、ドワーフ・プラネット (downadown.com)