小山の子うさぎ

こんこん小山の 子うさぎは
なぜにお耳が 長うござる
小さい時に母様が
長い木の葉を 食べたゆえ
それでお耳が 長うござる

こんこん小山の 子うさぎは
なぜにお目目が 赤うござる
小さい時に母様が
赤い木の実を 食べたゆえ
それでお目目が 赤うござる


( 小山の子うさぎ 佐川の子守歌 )
NPO法人日本子守唄協会 子守唄 – 小山の子うさぎ 「 子守唄さん ありがとう 」 日本子守唄協会編著 より (komoriuta.jp)

( 2021.12.28 Twitter より )

(♪VOCALOID : Ken 小山の子うさぎ)


彼岸の乙女

オルフェウスは竪琴の弾き語りで
忘れ川の渡し守の心をとらえ、
黄泉の国へ渡った。
妻のユリディケは甦らなかったが
オルフェウスは生還した。
ヘラクレスは腕力、テセウスは知略で
忘れ川の渡し守カロンを打ち負かし、
生きながらに冥府へ侵入したが、
オルフェウスは歌によって
異界を旅した。

オルフェウスの竪琴は
天空に置かれ、
黄道十二宮の真ん中で今も、
美しい調べを奏でている。
獣帯の星座達は、
竪琴の音色に耳を傾けるために、
ぐるりと輪になった姿だという。

天空の運行を導く
竪琴の音色。

琴座のベガは、
七夕伝説の織り姫星。
年に一度だけ、
天の川の対岸の
彦星に会える。

はるかな昔には、
琴座のベガが
不動の北極星の位置で
輝いていたのだという。
地球の自転軸が少しずつずれて、
現在の北極星になったらしい。

琴座のベガ=北極星時代には、
「織り姫=天の最高位の女神」
だったのではなかろうか。

オルフェウスとユリディケ、
イザナギとイザナミ、
エンリルとニンリル……
彼岸と此岸に隔てられた
世界神話の悲恋カップルが、
旅の果てに別れたり、
絆を結んで甦ったりする。

そういえば、神話の原型には
「乙女の冥界くだり」
「勇者の竜退治」
「勇者による乙女の救出」
といった物語群があるそうだ。

彼岸の乙女。
天の川=彼岸と此岸を隔てる
旅の難問=竜なのかもしれない。


( 2021.12.16 Twitter より )