テントウムシ


3.11の後、阪神・淡路大震災の教訓絵本を
有志で発行する企画があり、
依頼に応じ描いたイラスト。

プロ・アマ問わず
「被災者の言葉に寄り添い描く」
という主旨。
何十年ぶりに水彩絵の具と絵筆を買い
(パレットは牛乳パックを切って代用)
3.11 半年後に描いたイラスト。

以来ずっとお絵描きに夢中。

お絵描きにハマる未来がわかっていたら、
あのときパレットも買っただろうな……

阪神・淡路大震災から26年。
東日本大震災からまもなく10年。


(2021.1.17 Twitter より)





おやゆび姫 (Tommelise)


https://twitter.com/katsudiworld/status/1327421490350878720?s=20

サンタクロースがくれた絵本の
おやゆび姫と王子さま。
いつも記憶の底にあって、
でも誰の絵なのかわからなくて。

松本かつぢ氏のイラストだった。

コロナが終息したら観に行きたい。

なつかしくなって
落書き……

Tommelise

(春に撮ったチューリップ)
(バラみたいな花びら)

『アンデルセン童話集』|感想・レビュー より
https://bookmeter.com/books/160561

アンデルセン童話集、
ティーンの頃に松谷みよこ訳で読み、
挿し絵に惹かれて荒俣宏訳で再読。
柔らかで丁寧な松谷訳に比べて、
簡潔に原作の世界観を伝える荒俣訳は、
新鮮だった。
大人のメルヘン。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 おやゆび姫 LITTLE TINY OR THUMBELINA (aozora.gr.jp)

「おやゆび姫」
LITTLE TINY OR THUMBELINA
ハンス・クリスチャン・アンデルセン 
Hans Christian Andersen
大久保ゆう訳
(青空文庫)

ツバメの目の中には、くさった木片を手の中ににぎりしめているおやゆび姫がいます。手下げランプがなかったので、青く光る木を持ってきたのです。
(上記リンク青空文庫から引用)

この光る朽木のイメージが鮮烈で、
どの童話で読んだのか思い出せず、
たぶん新美南吉の童話だろうと
ずっと勘違いしていた。

荒俣宏訳のデ・ラ・メア「妖精詩集」の
「夢のうた」という詩の一節。

Elf-light, bat-light,
Touchwood-light and toad-light,

荒俣宏は Touchwood-light を
「朽ち木のひかり」と訳している。
簡潔に原文どおりだが、
とてもよく詩の世界を伝える言葉。
おやゆび姫の灯と
通底するイメージなのだった。


幼い頃には絵本、
ティーンの頃には松谷みよこ訳で読んだ
「おやゆび姫」のイメージが、
我知らず心に鮮やかに刻まれていたことを、
「朽ち木のひかり」という言葉から
改めて気づかされた今日。

【bioluminescence】とは・意味 | エキサイト辞書 (excite.co.jp)

bioluminescence(生物発光)とは・意味
execite 辞書より


小人さんが朽木の灯りを手に
暗闇でたたずむ姿を描きたい。



(2021.1.8~1.23 Twitter より)



おやすみ


おやすみ てんとうむし
おちばのふとんで
おやすみ くさのね はなのたね
いてたつちの ふところふかく

しもばしらの
こおりのきゅうでんを
こつこつ つくりながら
わたしは ひかりのゆめをみる

こおりがとけて あたたかな
あめが つちをぬらすころ
わたしの ねむるきせつに
みちる きんのひかりのゆめを



(2021.1.23 Twitter より)


リフレイン

悲しい時代の……おぉ演歌かな?シィッ……次代の応援歌!
(終わらないリフレインに耳を澄ます)

駄洒落です☆
明けましておめでとうございます☆2021


夢魔とマラルメ


まだ迷宮の中。
夢魔の子は朝まで旅する。
おやすみなさい、空の月。

アーサー王伝説に登場する
魔法使いマーリンは、
夢魔とウェールズの王女との子。

夢魔(インキュバス)は、
ケルトの妖精譚などにも登場する。
たとえばイエイツの詩に描かれた
幻想的な「インガス」は、
天地のはざま、月光と日光のあわいを
彷徨う野の精霊としての
魅惑的な「夢魔」の姿だろう。

夢魔の血は海洋や空の色、
輝きを帯びて透明……
というイメージに幻惑され
囚われていたけれど、
古代ギリシアでは
血や涙を緑と表現したそうだ。
ギリシアの森の精霊(パン)が
夢魔の原型にもあげられる、と。
さかのぼれば中東のエンリル、
エジプトのオシリスなど、
風(受粉を媒介)や
穀物霊の面影?

パンには森の神に加えて
牧神の性格が。
樹木の神であり
角の生えた青年神でもあった
中東のエンリルが原型だろうか。

なぜ忘れていたのだろう?
家の書棚に昔あった「フランス詩集」
ステファヌ・マラルメの長詩
「牧神の午後」「エロディアード」
の残像が……
青い血の夢魔、
孤高の金髪の姫……
儚くておぼろ、
でも鮮烈なイメージ……
源泉はあの詩だったかも。
もう一度、読み直したくなった、
今も再版されているかな?

マラルメ詩集は文庫本で持ってたっけ。

商品名:
 フランス詩集−青春の詩集・外国篇8
商品基本情報:
 著者/出版社:浅野 晃 編/浅野 晃 編
 初版発行日:1966/06/10
 サイズ:B6判
 ページ数:205
 ISBN/JAN:482621958X/4528189069886

バーゲンブック=新品(でも古い本?)
これ……欲しいなぁ。


両世界日誌 (hatenadiary.org)

このブログさんが翻訳なさっていた、すごい。
以前に読んだ詩と文体は違うけど、
この内容だった……翻訳公開に感謝申し上げます。

葦笛が奏でる、おおらかな生命賛歌。
いつか額の角に編んだ髪を巻き付けてくれる
夢の女性が現れるかな……
ひとりぼっちの牧神さんの午後。

青空文庫 公開中作品リスト:【作家】マラルメ ステファヌ (main.jp)

青空文庫のステファヌ・マラルメ。
上田敏 訳。

いま読んでみた「牧神の午後」
牧神は青い血(夢幻のような水の精)
ではなくて、
野に住む者の「天衣無縫な生命力」
を感じさせる。
むしろ、それがこの詩の良さ
だったのだろう、と
以前の朧げな印象と
ずいぶん違った感想を抱いた。
明快な文体の翻訳による印象
かもしれないけれど。
翻訳詩もいいなあ。

ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 白鳥 LE VIERGE (aozora.gr.jp)

白鳥 LE VIERGE
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme
上田敏訳

勢(いきほひ)猛(たけ)き
鼓翼(はばたき)の一搏(ひとうち)に
碎(くだ)き裂くべきか、
かの無慈悲なる湖水の厚氷(あつごほり)、
飛び去りえざりける羽影(はかげ)の
透きて見ゆるその厚氷を。

なんて清冽なイメージ……

厚い氷に閉じ込められた
白鳥の羽ばたき、
その羽ばたきが氷を砕くかのよう、
閉じ込められた透明な瞬間のまま。

(2020.5.30~6.6 Twitter より)