ガラスの夜汽車


耐熱ガラスの汽車が
蒸気の煙をくゆらせ
見えない軌道を走る

凍てた星系のふちを
白煙がしずかに包む
一条の灯が星を縫う

ガラスの炉に虹の熱
天の河またいで走る
透明無限な無軌道で

星の鈴を順に鳴らし
凍てず割れずひびく
遠いほうき星の汽笛

ポケットに
切符が一枚
これ誰の?


(2020.6.6 Twitter より)

しのぶもぢずり 誰ゆゑに

https://japanmystery.com/fukusima/mojisuri.html
日本伝承大鑑 福島「文知摺石」リンク。


福島市に伝わる鏡石伝承。

村長の娘・寅女と都から赴任した源融との悲恋。


鏡石を麦の穂でこすると

遠く離れた人の面影が映るという。

松尾芭蕉「奥の細道」に記載あり。


トオルとトラ、

遥か異国のトール神やトーラーにまで飛躍は無理でも、

巨石に宿る女神信仰の気配あり。

河原左大臣(源融)
小倉百人一首(14番)
『古今集』恋四・724

陸奥(みちのく)の
しのぶもぢずり
誰(たれ)ゆゑに
乱れそめにし
われならなくに


(2020.5.9 Twitter より)