ほたる草


月の草の つゆ草の
ほたる火ほどに消えやすい
咲いては枯れる かりそめの
移ろう今に生きる身を

憶えていて など
言わないわ
また逢おう なんてね
はかない約束も
ほしくない

月の草の つゆ草の
ほたる火みたいに闇ゆらす
涸れては結ぶ つゆ染めて
ともし火の今を生きるだけ


都の日々など
忘れたわ
きみは誰 なんてね
いまさら不思議でも
かまわない

月の草の つゆ草の
ほたる火みたいに闇ゆらす
涸れては結ぶ つゆ光る
ともし火の今を生きるだけ



( 寄物陳思 作者不詳 万葉集 11巻2756番 より )
 character by fairy-scope
( 2026.5.31 イラスト作成 by Copilot )
( 2026.6.1 CG加工による微修正 )


月草の


月草之 借有命 在人乎 何知而鹿 後毛将相<云>

月草の
借れる命にある人を
いかに知りてか
後も逢はむと言ふ

つきくさの
かれるいのちに
あるひとを
いかにしりてか
のちもあはむといふ

(寄物陳思)作者不詳
(万葉集 11巻2756番)

※月草=露草のこと、蛍草ともいう。


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